ゲーム開発の現場で、プランナーが仕様変更を伝える際に「またか…」というような、
ちょっと困った顔をされた経験はありませんか?
仕様変更自体は、ゲームをより良くするために必要な場面もありますが、
伝え方やタイミング次第では、エンジニアさんやデザイナーさんとの間に
溝を生んでしまうことも少なくありません。
むしろ、変更そのものよりも、その「伝え方」が問題になっているケースが多いのではないでしょうか。
この記事では、若手のゲームプランナーさんが仕様変更などで他職種メンバーと円滑にコミュニケーションを取り、信頼関係を築きながらより良いゲーム作りを進めるための具体的な方法や考え方について解説していきます。
なぜ仕様変更は嫌われるのか?
まず、なぜ仕様変更が必要以上にネガティブに捉えられてしまうことがあるのか、その理由を考えてみましょう。
もちろん、プロジェクトの状況や変更の度合いにもよりますが、
一般的には以下のようなことがエンジニアさんやデザイナーさんの負担になるからです。
- 手戻りの発生: すでに実装やデザインが進んでいたものを、
根本から作り直さなければならなくなる場合があります。
これは単純に作業工数が増えるだけでなく、精神的な負担にもなります。 - スケジュールの遅延: 新たな作業が発生することで、当初予定していたスケジュールが狂ってしまう可能性があります。
特に締め切りが迫っている状況では、大きなプレッシャーとなります。 - モチベーションの低下: 度重なる変更や、理由が不明確な変更は、「自分の作業が無駄になった」「振り回されている」と感じさせてしまい、モチベーションの低下に繋がりかねません。
もちろん、開発を進める中で新しいアイデアが生まれたり、
技術的な制約が見つかったり、ユーザーテストの結果を受けて改善が必要になったりと、
仕様変更が避けられない場面は多々あります。
大切なのは、変更そのものをなくすことではなく、
その伝え方や進め方を工夫することで、チームメンバーの負担や不満を最小限に抑える努力をすることです。
「またか…」と言われないためのコミュニケーション術
では、具体的にどのようなコミュニケーションを心がければ、仕様変更を円滑に進めることができるのでしょうか? ここでは5つの具体的な方法をご紹介します。
1. 変更前の「相談」を徹底する
仕様変更を「決定事項」として伝える前に、まずはエンジニアさんやデザイナーさんに「相談」を持ちかけることを意識しましょう。
「こういう理由で、ここを変更したいと考えているのですが、どう思いますか?」
というスタンスで話を聞くのです。
早い段階で相談することで、
- 技術的な実現可能性や、より良い代替案について意見をもらえる
- 変更による影響範囲(どれくらいの修正が必要か)を事前に把握できる
- 相手も「一緒に考えている」という当事者意識を持ちやすくなる
といったメリットがあります。
一方的に変更を伝えるのではなく、チームとして最適な方法を探る姿勢を示すことが大切です。
2. 変更理由と目的を「具体的に」伝える
なぜ変更が必要なのか、その背景や理由、そして変更することで「何を達成したいのか(目的)」を具体的に、かつ正直に伝えましょう。
「なんとなくこっちの方が良さそうだから」といった曖昧な理由ではなく、
- 「ユーザーテストで、ここの操作性が悪いという意見が多く、離脱率も高いため」
- 「競合タイトルで類似機能が実装され、差別化を図る必要が出てきたため」
- 「現在の仕様では、パフォーマンス上の問題が発生する可能性が高いと判明したため」
といった具体的な根拠を示すことで、相手も変更の必要性を理解しやすくなります。
目的が明確であれば、エンジニアさんやデザイナーさんも、
その目的を達成するためのより良い提案をしてくれるかもしれません。
3. 影響範囲と代替案を「セットで」提示する
仕様変更を伝える際には、その変更によって「どこに」「どのような影響が出るのか」を可能な限り事前に調査し、把握している範囲で伝えましょう。
- 「この変更により、〇〇画面の修正と、△△機能の実装見直しが必要になります」
- 「修正には、デザイナーさんで〇日、エンジニアさんで〇日程度の工数を見込んでいます」
このように影響範囲を示すことで、相手も対応の規模感を把握しやすくなります。
さらに、「完全に変更するのではなく、こういう代替案(妥協案)も考えられますが、
どうでしょうか?」と複数の選択肢を提示できると、より建設的な議論に繋げやすくなります。
これは、あなたが変更の影響を真剣に考えていることを示す姿勢にもなります。
4. タイミングを見極め、「早めの共有」を心がける
仕様変更の必要性を感じたら、できるだけ早い段階で関係者に情報を共有することを心がけましょう。ギリギリのタイミングでの変更依頼は、大きな混乱を招く原因になります。
まだ変更が確定していない段階でも、「〇〇について、もしかしたら仕様を見直す必要があるかもしれません。理由は△△で、現在調査中です」といった形で、事前に情報を共有しておくだけでも、相手は心の準備ができます。
早めに相談することで、手戻りが最小限で済む可能性も高まります。
5. 感謝と敬意を忘れない
仕様変更に対応してもらうということは、相手に追加の作業をお願いするということです。そのことを忘れずに、必ず感謝の気持ちと相手の専門性への敬意を示しましょう。
- 「急な変更で申し訳ありませんが、ご協力いただけますでしょうか」
- 「いつも柔軟に対応いただき、ありがとうございます」
といった言葉があるだけでも、受け取る側の気持ちは大きく変わります。
日頃から良好な関係を築いておくことが、いざという時のスムーズな連携に繋がるのです。
仕様変更だけじゃない!日常的な連携のコツ
仕様変更に限らず、日頃からエンジニアさんやデザイナーさんと円滑なコミュニケーションを取ることも重要です。
- こまめな情報共有: 進捗確認やちょっとした相談など、気軽に話せる関係性を築きましょう。
- わかりやすい仕様書: そもそも仕様書が明確であれば、認識齟齬による変更を減らせます。(仕様書の書き方については、別途解説記事を参考にしてくださいね!)
- 相手の専門性を尊重: 技術的な判断やデザインの意図について、まずは相手の意見をしっかりと聞き、尊重する姿勢を持ちましょう。
まとめ
ゲーム開発において、仕様変更はつきものです。
しかし、その伝え方ひとつで、チームの雰囲気や開発効率は大きく変わります。
今回ご紹介した「変更前の相談」「理由と目的の明確化」「影響範囲と代替案の提示」「早めの共有」「感謝と敬意」といったコミュニケーション術を意識することで、「またプランナーの仕様変更か…」というネガティブな反応を減らし、エンジニアさんやデザイナーさんとより建設的な関係を築くことができるはずです。
円滑なコミュニケーションは、より良いゲームを生み出すための土台となります。ぜひ、明日からの仕事で試してみてくださいね。

